勘定科目は何でもいい!気を付けるポイントは名称ではない
会計処理をするときに勘定科目を何にするか悩むことは多いですよね。
切手は通信費?荷造運賃?ガソリンは旅費交通費?車両費?消耗品費?など、考えればきりがありません。しかし、はっきり言ってその悩みはどうでもいいことです。
勘定科目で悩んだときのポイントを解説します。
目次
勘定科目の名称はどうでもいい!税金に影響があるかどうか
法人税や所得税は利益に税率をかけて計算されます。経費の名称は関係ありません。通信費であろうが荷造運賃であろうが意味は一緒であり、そこで悩んでも仕方ありません。
極端の話、経費をすべて「雑費」で処理していても税務調査の際は指摘されません。(笑われるとは思いますが)
税務署は税金にしか興味がないため、税金に影響があるかどうかを最優先に考えましょう。
勘定科目の気を付けるポイント
とはいえ、ルールがないわけではありません。勘定科目は以下のポイントで決めましょう。
① 継続して同じ科目を使う
② 資産計上と経費をしっかり区分
③ 会社にとって重要な科目を使う
④ 消費税区分の方が大事
では順に説明します。
〔① 継続して同じ科目を使う〕
毎期・毎月同じ取引については同じ科目を使うようにしましょう。これは「毎月の比較」や「前期との比較」をする上で重要です。
試算表のチェックや財務分析の基本は過去との比較で、急激に増加していたり不自然な動きがないか調べます。その際毎回違う科目を使っていては分析のしようがありません。同じ取引について同じ科目を使い続けることで正しい分析ができるのです。
〔② 資産計上と経費をしっかり区分〕
資産計上と経費を間違えることは利益・税金を間違うことになるため、一番気を付けるべきところです。
● 前払費用として処理すべきところを費用計上
● 保険積立金として資産計上すべきものを保険料で処理
などの間違いがないかどうか注意しましょう。
〔③ 会社にとって重要な科目を使う〕
同じ取引であっても業種によって重要度は全然違います。飲食店にとってガソリン代は「消耗品費」で十分ですが、運送業の場合は「ガソリン費」の科目を使って区分してもいいでしょう。その会社にとって重要なものを分けて処理することで、試算表・決算書が見やすくなります。
〔④ 消費税区分の方が大事〕
会計ソフトで入力する場合は、消費税区分を同時に入力します。勘定科目の名称よりこちらの消費税区分の方を注意して入力しましょう。消費税区分の間違いは納付消費税額に影響します。税務調査の際は科目名ではなく消費税区分を見られますよ!
勘定科目で迷った際は?
勘定科目で迷った際は、以下の手順で決めましょう。
① まず過去に同じ取引がないかチェックし、似たような取引があればその科目を使用します。過去2期ぐらいは遡りましょう。
② 過去に取引がなく、金額が低い場合はすでに使用している科目を使用しましょう。「消耗品(モノ)」「支払手数料(サービス)」は使い勝手がいいです。もちろんインターネットで調べてもOK! ただし、「雑費」は内容が想像できないため、極力使わないように!
③ 内容が重要又は科目の金額が大きくなりすぎるときは、新しい科目を作りましょう。
例えば
● 新事業の売上や仕入れ → 「~売上」「~仕入」
● 消耗品が多い → 「消耗品費」「事務用品費」「消耗工具」などに分ける
など、試算表・決算書が見やすいかどうか常に意識するように。
勘定科目で悩んだ際は参考にしてくださいね。
大阪本町の田税理士