受取利息の仕訳(法人・個人別) 源泉税の計算・消費税に注意!
事業用の銀行口座に利息が入金された場合、きちっと会計処理ができていますか?
金額は微々たるものですが、結構面倒な計算が必要です。。。
目次
受取利息は源泉税が引かれている!
預金口座に利息が入った際、「利息なんてほんのわずかだな~」と思いますが、じつはこの入金額は利息から源泉税が引かれたあとの金額なのです。
その税率は15.315%。
この源泉税は「法人税の前払い」として扱われることから、仕訳段階で逆算して処理する必要があるのです。
預金利息の仕訳(法人)
では具体的な仕訳の手順を見ていきましょう。
手順① 利息から控除された源泉税額を求める
まず電卓を手元に用意しましょう。
入金額を「A円」と置くと、
A÷0.84685= B(切り捨てしない) ← 税引前に割り戻す
電卓をそのままに
B×0.15315= C(円未満切り捨て) ← 割り戻した額に税率をかけて源泉税額を求める
手順② 仕訳を作成する
(普通預金) | A 円 | (受取利息) | A+C 円 | 受取利息 |
(租税公課)※ | C 円 | 受取利息 源泉税 |
※源泉税は(租税公課)の科目のほかに(法人税等)を使用することもあります。
どちらも正解ですが、過去の仕訳や税理士に確認して判断しましょう。
ちなみに入金額が5円以下の場合、源泉税が0円になるため
(普通預金)5円 (受取利息)5円
など、1行の仕訳でOKです。
預金利息の仕訳(個人事業)
個人事業の場合は、受取利息は利子所得(事業所得とは異なる!)という所得に該当し、源泉税を引かれることで税務は完結します。確定申告も不要です。
そのため、事業用口座に預金利息が入った場合は以下の仕訳となります。
(普通預金) | 51円 | (事業主借) | 51円 | 受取利息 |
事業主借は「事業所得に反映させない」ための科目なので、事業の収入や経費から除かれます。
「今まで受取利息でやっていた!!」
という方も多いかと思いますが、それでも大丈夫です。
多くの会計ソフトでは個人事業として設定した場合、受取利息は事業主借に集約されるようになっています。
受取利息が損益計算書ではなく貸借対照表に記載されているかチェックしましょう。
貸借対照表に記載されていれば、損益から除かれているため大丈夫です。
受取利息の消費税は「非課税」!
受取利息の消費税は「非課税売上」に該当します。 間違って「課税売上」にしないよう気を付けましょう。
ただし、通常受取利息の科目に「非課税」が設定されているため、会計ソフト通りに入力すれば間違えないでしょう。
定期預金は通知書を見て仕訳を!
普通預金の利息は通常通知書が来ないため、上記のように入金額から源泉税を逆算する必要があります。
しかし、定期預金については通知書が送られてきて、その通知書に源泉税額が記載されていることが多いです。
そのため源泉税を逆算で求める必要がなく、そのまま仕訳を作成することができます。
仕訳は預金と同様、以下の通りです。
(定期預金) | 102円 入金額 | (受取利息) | 120円 利息 | 受取利息 |
(租税公課) | 18円 税金 | 受取利息 源泉税 |
すべての数字が通知書に記載されているはずです。
以上のように、金額が微々たる利息ですが奥が深いのです。
受取利息はどの会社でも発生するため、きちんとマスターしましょう!!