無利子無担保! コロナウイルス特別貸付の手続きを徹底解説
令和2年3月17日から実質無利子無担保の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」がスタートしております。
この融資については売上が一定以上減少していれば書類の郵送だけで審査が通ることも多く、ハードルは高くありません。
(むしろセーフティネット保証などは審査待ちや手続きに時間がかかるようです)
今回は日本政策金融公庫(以下「日本公庫」)が行う実質無利子無担保の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」について、手続き等を解説していきます!
※詳しい内容は日本公庫のホームページ(新型コロナウイルスに関する相談窓口)でもご確認ください。
目次
大まかな流れ
〔日本公庫から借り入れ〕
① 日本公庫(お近くの支店)へ申込書等を送付
② 1~2週間後に担当が決まり、追加資料や質問の連絡がくる
③ 面談がある場合は面談をする。すでに日本公庫から借入がある場合は面談不要の可能性が高い
④ 融資額が入金される(①から1~2か月後)
➄ 最長20年かけて返済(利子あり)
〔利子補給を受ける(詳細は今後発表)〕
① 3年間の利子について、申請により給付を受ける。これにより実質無利子となる。
注意すべき点として
● 利子を一旦払う必要あり
● 利子補給は3年間のみ
は覚えておきましょう。
まず国民生活事業と中小企業事業のどちらに該当するか確認
日本公庫には「国民生活事業」と「中小企業事業」の2つの事業があります。自社の規模で判断され、融資枠や審査にかかる時間等が異なります。
国民生活事業は個人や小規模の法人を対象とし、融資額が少額でスピーディーです。中小企業事業は比較的大きな中小企業が対象となり、融資額が大きく審査も国民生活事業と比べて時間がかかるものとなります。
どちらの事業に該当するかは業種別の売上等で総合的に判断するそうですが、先日問い合わせたところ「製造業であれば売上10億円を超えてくると中小事業に該当するでしょう」と言われました。あくまで目安ですが参考に。
すでに日本公庫からの借入がある場合は、現時点の事業になります。(不明の場合は日本公庫に連絡し確認)
初めて日本公庫から借りる方でどちらに該当するか不明の場合は、日本公庫に連絡し事業内容・売上高などから判断してもらいましょう。ただし最終的な判断は借入の申し込みをしたあとになります。
日本公庫から借り入れを受ける
要件や融資枠は以下のとおりです。
要件① (業歴1年1か月以上) | 最近1か月の売上が前年又は前々年同期5%減 |
要件① (業歴3か月~ 1年1か月) | 最近1か月の売上が次のいずれかと比較して5%減 ● 過去3か月(最近1か月含む)の平均売上 ● 前年12月の売上 ● 前年10~12月の平均売上 |
要件② | コロナにより一時的に業績悪化し、今後回復が見込まれる |
融資限度 | 国民事業:6,000万円(※利子補給は3,000万円まで) 中小事業:3億円(※利子補給は1億円まで) |
年利 | 国民事業:1.36%(3,000万円以下3年間は0.46%→利子補給の場合実質0%) 中小事業:1.11%(1億円以下3年間は0.21%→利子補給の場合実質0%) |
返済期間 | 設備投資20年以内 運転資金15年以内 (どちらもうち据置5年以内) |
担保 | 無担保 |
※1 要件①②はどちらも該当すること
※2 据置期間は利子だけを払うことになります。
※3 印紙代(融資額によるが、多くて数万円)が発生しますので、無利子でも全く費用がかからないわけではありません。(印紙税を非課税にする案も出ています)
ちなみに3年経過後に一括返済することも可能です。
国民生活事業の方は利子が1.36%なので、少し高いかなと思います。なので、3年経過後に銀行等へ借り換えをすることも選択の一つです。
〔提出書類〕
国民生活事業 | 中小企業事業 | ||
全員 | 借入申込書 | 借入申込書 | |
全員 | 売上減少申告書 | 試算表又は売上減少申告書 | |
全員 | 過去2期分の決算申告書 | 過去3期分の決算申告書 | |
現在借入を 行っていない方 | ●法人の謄本(法人のみ) ●代表者の個人印鑑証明書 ●納税証明書 | ||
初めての方 | ●「ご商売の概要」又は 創業計画書(事業開始直後) ●法人の謄本(法人のみ) |
申込書等や記載例はこちら(新型コロナウイルスに関する相談窓口)からダウンロードできます。
特別利子補給を受ける
利子補給の手続きはまだ公表されていませんが、要件はすでに公表されております。
小規模事業者 | 中小企業者 | |
個人 | 要件無し | 売上20%減 |
法人 | 売上15%減 | 売上20%減 |
※1 小規模事業者は卸・小売・サービス業の場合従業員5名以下、その他の業種は20名以下
※2 売上高の比較時期は上記特別貸付と同様(さらに最近1か月+その後2か月の3か月のうちいずれか1か月で比較できる)
〔利子補給対応期間〕
国民事業:3,000万円以下3年間
中小事業:1億円以下3年間
1年ごとなのか、3年後にまとめて申請なのかまだ情報がでていません。無利子の貸付と言うからには利子補給の情報もしっかり固めてから貸付を開始してほしかったところですが。。
まとめ
● 無利子でのみ借りたい場合、国民生活事業に該当する個人や法人は3,000万円まで、中小企業事業の場合は1億円までにしましょう。しかし印紙代がかかりますので、まったく費用がかからないというわけではありません。
● 会社規模で決まるので、小規模な法人が4,000万円を無利子で借りたいからと中小企業事業で申し込みをしても国民生活事業に回されます。注意しましょう。
● コロナウイルスによる業績悪化が要件なので、単純な業績悪化でなくコロナウイルスの影響であることを説明できるようにしておきましょう。
● 日本公庫に問い合わせたところ、少なくとも4月いっぱいまでは借入ができるそうです。
● 利子補給についての申請方法は今後情報が出ますので、こちらの申請にどれほどの労力・負担がかかるか不明です。
コロナウイルス特別貸付のサポート
田雄一郎会計事務所は認定支援機関であり、「新型コロナウイルス感染症特別貸付」のサポートを行っております。
詳細につきましてはお問合せフォームまたはお電話(06-6586-6745)にてお気軽にご連絡ください。
コロナウイルスに打ち勝つお手伝いをさせてください!
大阪本町の田税理士